国内で販売されている
爬虫類専用紫外線灯の比較
現在、様々な爬虫類用ライトが発売されています。各社様々、照射量について○%とうたっていますが、パーセンテージではなく、絶対値が大切です。そこでUV照射量を測定致しました。爬虫類に最も効果的な波長と言われる310ナノメートル付近のUVB量の絶対値を計ったところ、結果は次のようになりました。
計測条件
計測器
米国製UVP社のUVXデジタルラジオメーター使用(医療用計測器を取り扱う会社が輸入した信頼のおける製品)
計測値 2000マイクロワット/1立方センチメートル
センサーは310nmを計測するMODEL−UVX31を使用
(紫外線だからといって全ての波長が爬虫類に有効なわけではありません。
有害な紫外線波長もありますので、紫外線量が多ければ多いほど良いというわけではないのです。そのため波長を絞って
計測する必要があります。)
計測環境 計測日 2001年12月27日及び、2004年6月
1.各社製品蛍光灯20W1灯使用。それぞれ安定のため点灯後5分経過して計測。
2.センサーは光源より20cmの距離において計測。
3.自然光を完全に遮断した室内で計測。室内照明灯は紫外線を全く照射しない蛍光灯を使用。
4.気温16度。湿度35%。
計測結果
A.
ビバリウムグロー・パワーUVB7.0
B.ビバリウムグローソフト・UV
UVB 182 UVB 32
C.国内メーカーT社製品タイプ1(UVB8.0) D.国内メーカーT社製品タイプ2(UVB5.0)
UVB 102 UVB 71
E.国内メーカーT社製品タイプ3(UVB2.0) F.海外で最もUVを照射しているというZ社製品(UVB5.0)
UVB 7 UVB 70
G.国内メーカーN社爬虫類用蛍光灯
H.TRUE−LITE
UVB 27 UVB 3
I.国内メーカーI社メタルハライド70型 J.海外Z社水銀灯式160W
UVB 20 UVB 30
これらの測定値は、どの製品が優れているかを示しているわけではなく、あくまでもお客様に正確な情報を把握していただいて製品を選ばれる時の一つの参考にしていただければと思います。
(紫外線灯の使い方)
たとえパワーUVBでも1灯照射では太陽光の紫外線量に劣ります。
しかし、それは決して飼育条件として太陽光に劣るわけではなく、狭い飼育ケージの中で照射で
きる最大限量としては充分です。強すぎると、過剰照射の危険があります。
また、研究者の多くは、無理にケージごと太陽光にあてると温度が上がりすぎる危険性を指摘、
人工灯の使用を薦めています。
自然下で太陽光に一日中あたる種類はそんなにいません。2〜30分日向ぼっこをする種などに
はパワーUVB1灯を半日照射でも充分なのです。赤道直下に生息するリクガメや砂漠棲のトカゲ
など、足りないという場合には、照射距離を短くしたり、複数本使用することによって十分な紫外
線量を得ることが出来ます。ちなみに、6月中旬のある晴れた日の正午に東京郊外で計測した
自然光のUVB量は、直射の強い時で1250、小さな薄い雲がかかったときで600という値(上
実験と同じ単位)が出ました。パワーUVBの3〜7倍です。この値から計算すると、パワーUVB
1灯12時間照射で直射で2時間弱、薄曇りで4時間位日光浴したのと同じことになります。現
地でほぼ一日中強い紫外線にあたっていると思われる種類には複数本使うか、網蓋などを使
用せず、直接またはUV透過ボードを通して、照射距離を10cm以下にすれば、自然光と同じ
紫外線量を照射できるということです。